涙をみせない少女
~放課後~
来ちゃったよ…放課後…もう早くおわらせちゃお!
「お願いします!」
「うん。ついてきて……とまあこんな感じで、すぐ覚えるよ。とりあえず案内はしたからな!」
「優しいな…あの頃と変わらない…」
「え?」
「いえ、何でもないです!ありがとうございます!何か礼をしたいのですが…」
「いや、いいよ」
「お願いします!礼をさせてください!」
「…わかった」
「本当ですか!じゃあ、クレープでも食べませんか?」
クレープ?!…た、食べたい!
「…うん」
久しぶりだなクレープ食べるの…よく彼と放課後クレープ食べに行ったな…。初めてクレープ食べに行った時、びっくりしたんだよね、あの見た目で甘いのが大好きで、特にいちごが好きって所が可愛くて…
「あの!おーい、聞いてます?」
「え、」
「だーかーら花崎さんは何にしますか?クレープ」
「え、あーじゃあミントで」
「ミント好きなんですね!僕はいちごにします!」
「え?あー…いちご好きなの?」
「はい!昔から…ってえー!どうしたんですか?」
「え?どうしたって?」
「…泣いてるじゃないですか…」
え、私泣いてるの?…本当だ…私泣いてる。
「ごめんごめん!あくびだよ!てか、早く食べよ!」
「そうですね…何かあれば言ってくださいね」
「はいはい、ありがとね。てか普通に私と話してるし、私のこと怖くないの?」
「いえ、」
「そっか!…ご馳走様。おいしかった。明日は私に話しかけないで…」
「え、何で?」
「私、忙しいの。友達いらないし邪魔」
「…」
「じゃあね…」
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