プロポーズ(第4話)
4
4
その日から、あたしは気まずくなって、カバサワを避けるようになった。
カバサワのほうはあたしに話しかけようとしてくるのだが、逃げた。
カバサワのことがきらいなのではなかった。
どう接してよいか、わからなかった。
そのうち、カバサワのほうがあきらめたようだ。あたしに近づかなくなった。
あたしはホッとして、同時にガッカリもした。
「ねえ、カバサワと別れたの?」
と、ミキちゃんに訊かれた。
「別れるもなにも、あたしたち、別につきあってたわけじゃないしぃ」
「えー、そうなの?」
そう、別につきあってたわけじゃない。別に恋をしていたわけじゃない。
なのに……。