プロポーズ(第4話)


「お前、初めてだろ? それに、学校だし。今日はここまでにしておく」

「うん……」


カバサワの言葉で目をあけた。いつの間にか目をつぶっていたのだった。

おい、待てよ、今日はここまで、ってことは、次はもっと迫ってくるのか?

そう思ったけど、言わないでおいた。


「カバサワ」

「なんだ?」

「ファーストキスって甘酸っぱいって言うけど、コーヒー牛乳の味だね」

「ばっ……ばか、それは、さっきおれがコーヒー牛乳を飲んだばかりで……ってお前、色気ないぞ。女子力アップしろよ」

「カバサワ」

「なんだよ」

「あたし、お兄ちゃんが好き」

「そうか」

「お兄ちゃんが大好き。そんなあたしをそのまま好きでいてくれる?」


カバサワは即答した。


「ああ、まかせとけ。おれは心の広い男だ」

「うわあ、キザ」


あたしたちは笑った。

カバサワにだったらもっと迫られてもいいかな、ってあたしは思った。

                           〈了〉



< 15 / 15 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

プロポーズ(第7話)

総文字数/24,665

恋愛(オフィスラブ)54ページ

表紙を見る
黒魔術

総文字数/4,876

ホラー・オカルト11ページ

表紙を見る
恋を知らない

総文字数/25,862

ファンタジー58ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop