HEAVEN of JOKERS
約束の土曜日、ちょっと慣れないピンクのシフォンスカートを着て、お気に入りのミュールをはいて、
玄関でくるっと一周してみた。
「……よしっ、」
久しぶりにおしゃれをしてみた。
私自身が特別可愛いわけでもないけれど、修太くんの前で少しでも女の子でいたかった。
そっと、玄関のドアを開ける。
待ち合わせ15分前。
待ち合わせの駅までは歩いて5分。
家の周りに、翔平さんや愛莉ちゃんの姿はない。
私はそのまま外へでると、軽く鼻歌を歌いながら駅に向かった。
その足取りは今までのなにより軽いと思う。
昨日もその前も眠れなくて。
こんなに胸がドキドキして、ワクワクして。
「修太くんと、デート……かぁ、」
って、口に出してみると、その事実に凄まじい勢いで恥ずかしさと嬉しさが込み上げてきた。
5分なんて思ったけど、私にとってそれはとても一瞬で、待ち合わせ場所に到着していた。