HEAVEN of JOKERS
「千哉」
「お、終わったか……」
千哉に借りたパーカーとジーンズ。
……でかすぎる。
「おっきかったな~」
千哉から借りたパーカーの丈はもはやワンピースだし、袖は手が全くでない。
少しでも指先が出たら、萌え袖とか言われるんだろうけどな~、これはだるんだるんなだけ。
ジーンズは裾をめちゃめちゃ折った。
長さはそれでよかったんだけど………
「……紬、なんで腹押さえてんの?痛い?」
「……てくる、」
「あ?」
「ずり落ちてくる…!!!」
千哉は、あぁ、と意味がわかったみたいだ。
そして、またゴソゴソとタンスを漁るとベルトを投げてきてくれた。
「あ、ありがとう……」
ベルトを受け取って、さっそくジーンズに巻く。
別にベルトくらいだったら千哉の目の前でも気にしないからね。
でも、さすがに、
ジーっと見つめられるのはなぁ…。
千哉は無言で私を見つめている。
……なんか私、変なとこでもある?
「お前、細いな……」
むっ、変態発言!
細いっていっても、実はストレスとかで痩せちゃったタイプだから、不健康な痩せ方である。
「……ま、着れたならいいや。行くぞ」
千哉はそう言って私の前に背を向けて屈んだ。
「……え?」
「え、じゃねぇよ。早く乗れ」
「いや、でも悪いし……」
「それじゃ歩けないだろ、早く乗ってくれ。ちょっと恥ずかしいんだよ、このおんぶ待機」
おんぶ待機……