HEAVEN of JOKERS
サラサラとほどかれて私の足をくすぐる包帯はそれでも痛い。
「……ちょっと見るから、その間に自己紹介して」
私の足から目と意識をそらさずに言った少年に、私も息をついてから話始めた。
「……清水紬」
「それで?」
きいてるんだ、とやはり私の足から目を離さない彼に思う。
「それで、とは?」
「なんでここに?」
「気づいたらここにいた」
「無意識の夜這い? 質悪いね」
「その夜這いって前提やめて。」
そう言うと、少年はやっと顔をあげて私に微笑んだ。
「折れてるなんてレベルじゃないね、早く病院に行こう」
……夜這いの訂正はしないのか。
ていうか、自己紹介して。とか、なんでここにいるのか聞いたにしては、私に関心がなさすぎる。
別にいいけど。