HEAVEN of JOKERS






それより、折れてるなんてレベルじゃないって……相当重症?





「僕んちの病院いこう。

僕いればすぐ見てもらえるから」





こっそりだけどね、と人差し指を自らの唇にあてた少年はもはや小悪魔。



自分の魅せる角度をわかっているみたいだ。






「おい真白……、紬を惑わすな」




「惑わすってなに? キミ、僕に堕ちてくれるの?」




「堕ちるって……」








「よせ、真白。

……本当に。」



そう言って、千哉は私の目に手をかざして、少年を見えなくした。





「別に僕、そんな手当たり次第に色仕掛けなんかしないけど」




「……お前の目が危険なんだよ」






どういうことだろう?


首をかしげると、千哉の手は目から移動させて、私の前髪をちょちょんといじってから離れた。






「こいつ……真白は、なんていうか、ちっこいけどフェロモン?みてぇなのがやばくてだな……」





そう言った千哉から目を話して彼を見ると、確かに白い髪と目の下のほくろが色っぽくて、目もタレ目で……





「確かに……気を抜いたら襲いそう」





「おい紬……」





「ま、多分ないかな」






「なんで? キミ、そう言い切るの?



……わからないじゃん?







僕がもしもこうやって……」






彼はそう言ってちょっと背伸びして私に顔を近づけて、




唇に触れようとしながら、そこをキレイに通り抜けて私の耳元で囁いた。







「…………、




……誘惑、したら?」












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