HEAVEN of JOKERS







「ちょ、まっ……」




なにか聞こえた気ぃして、でもそれも聞き終わらぬ内に、ドアが開いた。





その瞬間、目の前に飛び込んできたのは四つん這いで掃除をしとる、翔平の妹、紬ちゃんや。







ふへぇ~相変わらず可愛い顔しとるなぁ、てのがやっぱ最初に思うこと。




俺が初めて紬ちゃんに会ったんは、俺が幹部なりたてのころ、この家にくるのが3回目の時や。



ふわっとパーマがゆれて、前髪はぱっつん。

目はぱっちりの二重やし、鼻も唇も、ほっぺも。



全部全部、可愛くて、



あぁ、これがいわゆる守ってあげたい系女子なんやなって思った瞬間やった。




そして紬ちゃんは、十分小さい背を、軽く屈ませて俺らに会釈をした。






そのときは翔平の彼女かなんかやと思った。あまりにも、似てへんかったから。



翔平の目ぇは横に細長く、少し垂れているなんとも色っぽい目やけど、
紬ちゃんは真ん丸な目に真っ黒な大きな黒目。




「彼女おったん?」




て、そうきいたときは、危なく目付きだけでにらみ殺されそうになったわ。






「……ちげぇよ、」



それだけ言って、翔平はさっさと一人で行ってもうたんやっけ?





少し驚いた俺に、翔平と幼なじみの和成がこそっと耳打ちをした。






「修太、あとで教えてあげるから」







そんなに触れてはいけない関係なのか、と思ったが、ただの義理の妹らしい。














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