Happy Rainy Days 《短編》
雨とあたし
〈千歳side〉
外で雨が降ってる。
「また雨…。」
灰色の空をみてムッと口を尖らせて呟いた。
持っていたマンガの本を床に落としてベッドにダイブ。
「……優(ユウ)ちゃん。」
昨日一世一代の告白をした。
ひとこと
「スキ。」
「…、ごめん。」
ひとこと。
また、フラれた。
小さい頃は、ずっとマンガの中の主人公みたぃに王子様が現れて私は幸せになれるって思ってた。
フラれるのは何回目なんだろ。
もう涙なんかでてこなくなっちゃった。
返事が返ってこなかったこともあったっけ。
━━━──…
そんなことを思いながら、ボーッとしていると1階からママの声。
私の部屋は2階。
狭い家だから、ママの小さい声もよく聞こえる。
『千歳~!!あんた今日塾なんじゃないの?早く行きなさ~い!』
あぁそうだっけ…。
塾とか今日は行きたくないなぁ。
雨降ってるし。
雨はキライ。
あたしがフラれた日はいつも雨が降ってた。
空にまでバカにされてるみたい。