Happy Rainy Days 《短編》
そこには、べちゃべちゃに濡れた栗色の髪をした男の子がホームの真ん中で突っ立ってた。
な、なにあれ…。
今の気持ちを顔文字に表すとしたら、多分こんな感じ。
…Σ( ̄□ ̄;ンガー!!
あんなのいたら確かにびっくりするよね…。
身長は、みた感じあたしよりちょっと高め。
だから高校生くらいかな?(千歳は高1)
雨に濡れてるせいかその男の子はどこか悲しげだった。
なんかあったのかなっ……。
悲しんでるその顔がなんかあたしとダブってて。
すっごく気になった。
ほっとけなくて、持ってきてたタオルを片手に男の子に近づいた。
「ちょっと、大丈夫?」
タオルを差し出して話しかけてみた。
『……へ?』
ドクンッ……。
あたしの方を向いた男の子は凄く綺麗な顔してて。
不覚にもときめいてしまって。
そんなこと思った自分にびっくりした。
目が離せなくてしばらく固まったまま男の子を見てると、
『…だぁれ?』
と、聴かれた。
「……ふぇっ!?」
心臓が変にバクバクいってて、
やっと出せた声はすっとんきょうな裏返った声だった。
そんなあたしをみて小さく笑った男の子は、片手に握られたままのタオルをみて
『貸してくれるの?』
と言った。
「ぅ、うん…。」
2度目に出た声は、小さくて上擦った声だった。