ホテル王と偽りマリアージュ
不安が残るままじゃ、終わらせられない。
私が戸籍を汚した意味も、この一ヵ月の演技の意味も、全部全部水の泡。
それじゃダメだ!と強く思う自分が、自分でもよくわからない。
一哉がどうなろうと、そんなことを気にする義務は私にはない。
なのにどうして私、一哉のことばかり考えてしまうんだろう。
一哉が出て行ってから丸一週間経った、週末のその夜。
私は揺れる想いに悶々としながら、後は寝るだけの状態で、ベッドの上で膝を抱え込んで座っていた。
抱えた膝の上に顎を置いて、足の爪先の前には携帯電話。
それを、さっきからジ~ッと見据えている。
私がどう連絡しても一哉に繋がらないなら、繋げる方法を選ばないと、って思っていた。
とにかく、一哉一人で契約を見直しさせるわけにはいかない。
もう既に巻き込まれてる私も、一緒に考えなきゃいけない。
今となっては、これは二人の契約なんだから。
そう決めたから、一哉のお母さんに事情を話して、彼に連絡を取ってもらおうと思った。
あのお義母さんなら、『あら、夫婦喧嘩でもしたの?』って、軽く笑い飛ばしてくれる。
お風呂から上がって一時間、たっぷり迷った。
携帯の画面に表示される時計は、もう午後十時を回っている。
これ以上遅くなっては迷惑になる。
私は意を決してお義母さんに電話をした。
私が戸籍を汚した意味も、この一ヵ月の演技の意味も、全部全部水の泡。
それじゃダメだ!と強く思う自分が、自分でもよくわからない。
一哉がどうなろうと、そんなことを気にする義務は私にはない。
なのにどうして私、一哉のことばかり考えてしまうんだろう。
一哉が出て行ってから丸一週間経った、週末のその夜。
私は揺れる想いに悶々としながら、後は寝るだけの状態で、ベッドの上で膝を抱え込んで座っていた。
抱えた膝の上に顎を置いて、足の爪先の前には携帯電話。
それを、さっきからジ~ッと見据えている。
私がどう連絡しても一哉に繋がらないなら、繋げる方法を選ばないと、って思っていた。
とにかく、一哉一人で契約を見直しさせるわけにはいかない。
もう既に巻き込まれてる私も、一緒に考えなきゃいけない。
今となっては、これは二人の契約なんだから。
そう決めたから、一哉のお母さんに事情を話して、彼に連絡を取ってもらおうと思った。
あのお義母さんなら、『あら、夫婦喧嘩でもしたの?』って、軽く笑い飛ばしてくれる。
お風呂から上がって一時間、たっぷり迷った。
携帯の画面に表示される時計は、もう午後十時を回っている。
これ以上遅くなっては迷惑になる。
私は意を決してお義母さんに電話をした。