この世界の中で生きていく為に私がすること。
私まで黙りこんでしまって、なんとも重い空気が漂ってしまった。
何も言えない自分に腹が立ってしまう。
膝の上でギュッと拳を握りしめ、表情には出さないようにする。
「まぁ、のえるが一目ぼれじゃないって言うならそうなんでしょ。自分自身のことは自分がよく分かってるはずだし。気付かないってこともあるけど。」
マリが和ますようにこの場をまとめようとしてくれた。
私はもうこの話題が終わると思うとホッと安心した。
「でも、その素敵スーツの人見てみたいなぁー」
終わりかけた話題を美琴が掘り返す。
もういいよ…何でそんなにその人に興味を持つのか。
「そうよねぇ…のえるが感心持つくらい素敵なんでしょ?」
「黒髪で切れ長の目、で眼鏡。しかも声もイイんだよねー。」
「のん!その人をまた見かけたら教えてね!!」
4人はいつものようにぎゃぁぎゃぁ騒ぎ出す。
あぁ、やっぱり私たちはこうでないと。
私のせいで暗くなんちゃってごめんね。
心の中で4人に謝る。
今度は本人にちゃんと伝えないとな…
「うん。会えたらね。」