この世界の中で生きていく為に私がすること。
店内には私たち以外には、カップルが2組居た。
お年を召したご夫婦と私たちくらい年齢の2組だ。
私と辰巳さんも傍から見たらカップルに見えるのかな…そうだと嬉しいかも。
そんなに広いお店じゃないから、これくらいの人数で席に座ると間隔も丁度良い感じだ。互いの会話が聞こえない距離だから周りを気にせずに話が出来る。
「それにしても、佐藤さんから誘っていただけるとは思っても見ませんでしたよ」
そう微笑みながら辰巳さんは話を始めた。
「あ、あれは…」
「綾部さんたち…ですよね?」
バレてたか。