この世界の中で生きていく為に私がすること。
「…困らせてしまいました…ね」
私が何も言えないままの状態でいた。
その後も私は何と言っていいのか分からないまま、無言の状態が続いた。
その沈黙を打破してくれたのはマスターだった。
料理を持ってきてくれ、私たちの雰囲気を変えてくれた。
辰巳さんはワインも頼んでいたのか、マスターの手にはワインもあった。
「お嬢さんも飲めるかい?」
「あ、はい…少しですが」
マスターは私と辰巳さんの前にグラスを置いた。
おいしそうな料理も並び、テーブルの上は華やかになった。