この世界の中で生きていく為に私がすること。

再会

先生が挨拶を返してくれ、私は軽く頭を下げる。
すると、私に背を向けていたお客様がゆっくりと振り返った。







この間の…スーツの…。




「こ…んにちは。」

私らしくもなく吃ってしまい恥ずかしくなる。
そんな私を知ってか知らずか、優しく微笑み挨拶を返してくれた。

やはり心地よい低音の声は何度聞いても良い。

「貴女は…この間、食堂で会いましたよね?」


覚えてたんだ。私のこと…。


「あ、はい。先日はすみませんでした。」


ぺこりと頭を下げるが、「いやいや、僕のほうも悪かったですから。」と言われ頭を上げるよう促される。


一連の行為を山本先生が私たちを微笑みながら見ていた。

「佐藤くんと顔見知りなのかい?辰巳くん。」






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