この世界の中で生きていく為に私がすること。
「そうなんだ…リクルートスーツなんて、入学式の時に着て以来じゃない?」

リクルートスーツなんてこれから嫌ってほど着なきゃいけなくなるんだ。
そう思うだけで気が重い。しかも、今は7月。こんな暑いのに着なきゃいけないなんて社会人になったら…と思うと憂鬱だ。

「まぁね…でも、のえるはこの間着てなかった?先生の講演会の受付のバイトの時に」

「あぁ、あの時はそんなにきっちり着こなして無かったし、スカートはリクルートの使ったけど上は違ったから。」

そうだ。私は1ヵ月程前にゼミの教授の講演会の受付のバイトをした。
その時にも正装とまではいかないが、整った服を着た。

普段から私は派手な服装ではなく、カジュアルな服装を好むため、教授の印象が良かったのか受付や手伝いなどのアルバイトを頼まれることがある。

時給も良く、座っていられる仕事の為、私はよくこのバイトをしている。
教授とも仲良くなれるので、好きでやっている。

「そっかー。でも、のえるはいいよ~スーツ似合うもん。あたしなんかさぁスーツに着せられてるって感じだもん。」

ぶーぶーと文句を言いながら美琴は席を立ち昼ごはんを注文しに行く。
私は苦笑しながら美琴に続いて席を立った。



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