この世界の中で生きていく為に私がすること。
完璧な人
私はオムライス、美琴はカレーを注文した。
オムライスは時間がかかるのか、カレーを注文した美琴は先に席に戻ると言い行ってしまった。
それから程なくして、注文していたオムライスが出来上がり席に戻ろうとした。
歩きながら先に戻った美琴の方を見ていたせいか、前方から来る人に気がつかなかった。
ドンッ
気づいた時には既に遅く肩がぶつかってしまいトレイに乗せていたお茶がこぼれてしまっていた。私は慌ててぶつかってしまった人に謝る。
「すみません!っ濡れていませんか?」
トレイから視線を上げ、視線をぶつかったしまった人に向けた瞬間、私の時が止まってしまった。
漆黒の髪。
切れ長の目。
薄い唇。
銀縁の眼鏡。
少しの着崩しもしていないスーツ。
「いえ。こちらこそすみません。貴女は大丈夫でしたか?」
心地よい低音の声。
丁寧な言葉使い。
「あ、はい。」
「それは良かった。では。」
ビックリした。