この世界の中で生きていく為に私がすること。

「先生が急遽、用事が入っちゃってね…掲示されてたと思うんだけど?」

「見てない…です」


はぁ、とため息を吐く私を見て辰巳さんは苦笑いを浮かべている。
今日は講義はゼミだけで、ゼミのために大学へ来たのに…

帰るか、仕方ない。
休みなものは仕方ないのだ。

「じゃあ帰りますね。教えてくださってありがとうございました。」

辰巳さんへ一礼して、来た道を帰ろうとすると呼び止められた。



< 76 / 162 >

この作品をシェア

pagetop