この世界の中で生きていく為に私がすること。


「良かった。今日は断られなくて。」


チクリッ


ちょっと刺のある言い方をされた…?
いやいや、辰巳さんだよ?

紳士的な辰巳さんがそんなこと言うとは思えない。
気のせい、気のせい。


「あはは…すみません」

無理矢理笑ってみたから、顔が引きつっているだろう。口角がぴくぴくしている。

そんな私に気付いているはずの辰巳さんは、いつもの微笑みを浮かべて言う。

「荷物を取りに行くので僕の研究室まで来てもらってもいいですか?」



< 78 / 162 >

この作品をシェア

pagetop