この世界の中で生きていく為に私がすること。

「ここです」

先に着いたのは私の住むアパートで…。辰巳さんはマンションっで言ってたけど、アパートとマンションじゃレベルが違うよね。

「そうなんですか?僕の家はこっち…」

辰巳さんの指差す方は、私のマンションの通りを挟んだ向かい側だった。
本当にご近所さんではないか。これから気をつけなくては。スウェットでコンビニに行ったり、ゴミ出しをしているのを見られるかもしれないな。

「じゃあ、今日は本当にありがとうございました。」

深々とお礼をして感謝を述べた。
頭を挙げると、そこにはいつもの辰巳さんの微笑があった。



私も自然と笑顔が出てしまうような辰巳さんの優しい微笑みが…私は好きだ。


「僕の方こそ、遅くまで付き合ってもらっちゃってありがとうございました」


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