だから今夜も眠れない
でも、待ってあの時、山積さんをパパって……?
「でも山積さんパパって呼ばれてましたよね」
「そう呼んでるだけ。
まだ2才だからな、
呼びやすい呼び方でいいと思って呼ばせている」
「呼ばせているって、山積さんとリュカちゃんとは……?」
「リュカは俺の姉の子だ」
ああ、つまり
姪ってことか。
え?
私のいとこで山積さんの姪?
「あの、話が良く見えないんですが、
つまり、山積さんは、親戚ってことになるんですか?」
「あんたは頭悪いのか?
婚姻関係を結ばない限り、親戚とは言わないんだよ。
逆に血縁関係はなくても、縁組さえすれば親戚になれるってことだ」
「はあ」
「だから、あんたと俺たちは親戚でもなんでもない赤の他人だ。
法的にはな。
だけど、リュカとお前は血がつながっている。
それはまぎれもない事実ってことだよ」
「うううん?」
正直、寝耳に水っていうか?
バカと言われても理解しきれないじゃないですか。
「伯父さんて結婚していなかったはずだし、法的には他人てことは、
隠し子ってことになるんでしょうか?」
「葉山達は認めてないから隠し子とも言えないかもしれないな。
だが、そうは言っても事実なんだ」
「死人に靴なしですからね」
「それを言うなら口無しだ」
「あ、そうでした」
「あ~もう、お前と話してると可笑しくなるんだよっ。
とにかく、リュカの面倒をしばらく見てほしいって話はOKなのか?」