だから今夜も眠れない
「なんだこりゃ」

トイレの鏡に映り込む自分に呆然とする。

ガサガサの肌に、一重の腫れぼったい眼。

眉がないせいだけじゃない貧相な顔。

この三日で十歳は老けこんだ。

携帯用のポーチから化粧品を取り出し並べて、

できる限りの化粧を施して、

仕上がった顔を見て再びがっかりする。


「さっきと変わり映えしないじゃない」

うぁぁ~、まだ二十歳という若さでこの老け顔になってしまった~っ

ショックからがっくりと、

トイレという場所は自覚しながらも膝をついた。



キイッ


そこへ小さな人影が乱入してきた。


「おちっこーっ」


へ?


「おちっこでるっ!はやくーっ」

「あ、え?ハイハイ、こっちよ、待ってね我慢してね?」

あわてて女の子を抱き上げた。











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