だから今夜も眠れない
ふぇーん

うえーん


寝、眠れない。


リュカちゃんの夜泣き?
寝ぼけ?

ごおぉぉ

イビキまで……

深夜2時、

リフォームされすっかり生活空間に変貌を遂げたアトリエの、押し入れのようなロフトに油臭い物に囲まれて、

一畳ばかりのスペースに布団を敷いて小さくなっている私。

 昼夜構わず工事の人が出入りしてほとんど寝てないって言うのに……

下の状況が気になる。

降りていってリュカちゃんの様子を見に行くか、

この際宗太郎さんにお任せしておいたまま聞こえないふりをしておくか悩む。


びゃーっ

ぶえぇぇーんっ

ああ、もう濁点がついてるじゃない。起きてあやしなさいよ宗太郎!!

いてもたってもいられずに、


ロフトの急な階段をおりはじめる。

転がり落ちないかひやひやだよ。

もう少しなだらかな階段に作って欲しかったな伯父さん!

ずるっるっ


ほら言わんこっちゃない、階段踏み外してしこたまおしりを打つ。

ああ、踏み外したのが3段でよかった。

お尻に湿布とか腫れないもの。

それにしても……

「あ~もう、イタタタ……」

腰をさすり立ちあがると、

そこには頭を掻きながら宗太郎さんが立っていた。


「何?寝ぼけたの?」












< 36 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop