スーパーヤンキー!!
過去の悲劇
四年前------
キーンコーンカーンコーン。
「おっしゃあ!やっと終わったぜ!」
「おい郁人、お前補習があるんじゃないのか?」
「はあ?何言ってんだ?今日は遊ぶ日って自分で決めてんだよ。これは誰にも覆せねぇよ」
「蓮、こいつにいくら言ったって無駄だぞ。なんも聞いちゃいねぇし、まず馬鹿だからな」
「そうだな」
「おい万冬!てめぇ俺を馬鹿呼ばわりしてんじゃねぇよ!それに蓮も普通に肯定すんなや!」
俺と万冬と郁人は小学校の頃からの幼馴染みで、いつも三人でつるんでいる。万冬は頭が良くて、いつも俺と郁人に勉強を教えてくれる。俺は普通ぐらいの成績だが、郁人は酷かった。だから同じ白蘭中に入る時は、万冬も俺も郁人の勉強に付き合ってばかりで正直うんざりしていた。おかげで同じ中学、同じクラスで今まで通り付き合っていけてる。それに、三人共同じクラスになれたのは幸運だった。俺はあいつら以外友達なんて言うもんがいなかったからな。だが、問題はその白蘭中が地元じゃ知らねぇがいねぇくらい有名な不良学校だって事だ。しかも男子校。教師達は怯えてばっかで授業にならねぇ。ただ一人を除いては。
「こら!柏木 郁人!お前、今日は数学の補習だろ!ちゃんと残れ!」
「げっ、桜庭じゃん!何でまだいんだよ!」
「担任が自分のクラスにいて何が悪い?いいから屁理屈ばっか言ってねぇでさっさと補習の準備しろや」
「ったく、教師のくせにそんな言い方していいのかよ!俺は生徒だぞ!せ・い・と!」
「だったらもっと生徒らしく担任の言う事を聞けや。お前がこのクラスで一番めんどくさくて頭悪ぃんだから」
「よし蓮。俺らは先に帰ろうぜ。郁人は呼ばれてるみてぇだしな」
「ああ」
「おい!ちょっと待て!俺も帰るっつってんだろうが!おいこら!」
俺と万冬が教室から出て行くと、教室の中ではまだ、桜庭先生と郁人の争っている声が聞こえてくる。
頼飛先生。俺らのクラスの担任だ。名前は、桜庭 頼飛(さくらば らいと)。
頼飛先生は白蘭中で一番生徒に信頼されている先生だが、若くて、普段優しい顔してるくせに口が悪く、正直初めは苦手だった。だが時間が経つにつれ
、俺のそんな苦手意識も無くなっていった。頼飛先生は口数は少ない方だが、周りをよく見ていたと思う。俺が絶対気づかれないと思って泣いてた時、頼飛先生だけは気づいてくれたし、キレて相手を病院送りにしそうだった時も止めてくれたのは頼飛先生だけだった。
いつからか、俺は頼飛先生の事を、ちゃんと"先生"をつけて呼ぶようになった。生まれて初めて。本当に尊敬する教師にしかつけない、"先生"をつけて。
ほんと、性格が名前を表してるみたいに、いつも自分のクラスの生徒はもちろん、他クラスの生徒の面倒まで見てた。
頼飛先生はどこでストレス発散してんだろうな。タバコ吸ってるとこなんて見た事ねぇし、酒も飲まねぇって言ってたもんなぁ。あの口調だけ聞いたら絶対タバコとかしてそうなのに。
俺は考えながら笑ってしまった。
そんな俺の顔を見て、万冬はニヤニヤと笑う。
「……なんだよ?」
「お前、ほんと桜庭の事好きだよな。いっつも尊敬の眼差ししてる」
「……うるせぇよ」
言いながら、俺達はまた笑う。
キーンコーンカーンコーン。
「おっしゃあ!やっと終わったぜ!」
「おい郁人、お前補習があるんじゃないのか?」
「はあ?何言ってんだ?今日は遊ぶ日って自分で決めてんだよ。これは誰にも覆せねぇよ」
「蓮、こいつにいくら言ったって無駄だぞ。なんも聞いちゃいねぇし、まず馬鹿だからな」
「そうだな」
「おい万冬!てめぇ俺を馬鹿呼ばわりしてんじゃねぇよ!それに蓮も普通に肯定すんなや!」
俺と万冬と郁人は小学校の頃からの幼馴染みで、いつも三人でつるんでいる。万冬は頭が良くて、いつも俺と郁人に勉強を教えてくれる。俺は普通ぐらいの成績だが、郁人は酷かった。だから同じ白蘭中に入る時は、万冬も俺も郁人の勉強に付き合ってばかりで正直うんざりしていた。おかげで同じ中学、同じクラスで今まで通り付き合っていけてる。それに、三人共同じクラスになれたのは幸運だった。俺はあいつら以外友達なんて言うもんがいなかったからな。だが、問題はその白蘭中が地元じゃ知らねぇがいねぇくらい有名な不良学校だって事だ。しかも男子校。教師達は怯えてばっかで授業にならねぇ。ただ一人を除いては。
「こら!柏木 郁人!お前、今日は数学の補習だろ!ちゃんと残れ!」
「げっ、桜庭じゃん!何でまだいんだよ!」
「担任が自分のクラスにいて何が悪い?いいから屁理屈ばっか言ってねぇでさっさと補習の準備しろや」
「ったく、教師のくせにそんな言い方していいのかよ!俺は生徒だぞ!せ・い・と!」
「だったらもっと生徒らしく担任の言う事を聞けや。お前がこのクラスで一番めんどくさくて頭悪ぃんだから」
「よし蓮。俺らは先に帰ろうぜ。郁人は呼ばれてるみてぇだしな」
「ああ」
「おい!ちょっと待て!俺も帰るっつってんだろうが!おいこら!」
俺と万冬が教室から出て行くと、教室の中ではまだ、桜庭先生と郁人の争っている声が聞こえてくる。
頼飛先生。俺らのクラスの担任だ。名前は、桜庭 頼飛(さくらば らいと)。
頼飛先生は白蘭中で一番生徒に信頼されている先生だが、若くて、普段優しい顔してるくせに口が悪く、正直初めは苦手だった。だが時間が経つにつれ
、俺のそんな苦手意識も無くなっていった。頼飛先生は口数は少ない方だが、周りをよく見ていたと思う。俺が絶対気づかれないと思って泣いてた時、頼飛先生だけは気づいてくれたし、キレて相手を病院送りにしそうだった時も止めてくれたのは頼飛先生だけだった。
いつからか、俺は頼飛先生の事を、ちゃんと"先生"をつけて呼ぶようになった。生まれて初めて。本当に尊敬する教師にしかつけない、"先生"をつけて。
ほんと、性格が名前を表してるみたいに、いつも自分のクラスの生徒はもちろん、他クラスの生徒の面倒まで見てた。
頼飛先生はどこでストレス発散してんだろうな。タバコ吸ってるとこなんて見た事ねぇし、酒も飲まねぇって言ってたもんなぁ。あの口調だけ聞いたら絶対タバコとかしてそうなのに。
俺は考えながら笑ってしまった。
そんな俺の顔を見て、万冬はニヤニヤと笑う。
「……なんだよ?」
「お前、ほんと桜庭の事好きだよな。いっつも尊敬の眼差ししてる」
「……うるせぇよ」
言いながら、俺達はまた笑う。