忘却
言葉を唱え俺は目を瞑る。
「…鈴子、春大、冬夜、愛心。参加確認。大事な物、セット完了。スタートします」
幼き声から大人びた発言があり少し驚く。
「よし、手を離して宝探しスタートだ!」
春大のその声を聞き俺は、
「愛心…行こう!」
「う…うん!」
手を繋ぎ走る。
「まずどこ行く?」
「あの子…鬼子さんから遠いい所。つまり、体育館から一番遠いいところ…屋上!」
「おっし!行くぞ!」
「うん!夜だし寒いよね…」
「そうだな。にしても、なんでこの学校は四階建てなんだ…屋上まで…疲れ…る」
階段の三階の所で俺は息を切らす。
「冬夜動かないからだよ。ほら、早く」
〈君って本当に体力ないね〉
(うるさい!)
〈頑張ってね。今いる愛心と私は同じだけど違うからね〉
(どういう事だ…)
〈生きてるか、死んでるか〉
(そういう事か)
「よし、行くか!」
「うん!」
そして屋上。
【鬼子は二階二年生廊下前。お気をつけ下さい】
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