あなたに言いたいことがあります
「そういうことだねぇー」




「三年間気づかなかったのは才能だけどな」





「大変だったんだよ?朝早く来なきゃいけないしさあー」






「うっ・・・」




確かに、三年間だまされるなんて、才能領域に近いのかもしれない。





しかも、すぐ近くにいたのに気付かないってよほどの失恋だったんだなぁー。






「でも、彩璃が馴染みの頼みってことはわかったけど、なんで宮澤は協力したの?




三年間の学校生活を無駄にするみたいなもんじゃん?」





あー、そうだな・・・答えにくそうにする宮澤。






「俺、俳優になりたいんだよ。だから、練習にはいっかなー的な感じで引き受けたけど
なんだかんだで楽しかったからよかったけどな」






「は、俳優!?」






「テレビとかじゃなくて、舞台のほうな」









「瑠維頑張ってたもんねー。部活終わっても自習練してたし!」











「まあな・・・」







彩璃に褒められて顔を赤くする宮澤。









俳優になるとかすごいな・・・







だから、ダンス部に入ってたのかな?










私と彩璃もダンス部でよく自習練している姿を何回も見ている。










じゃあ、浅野は?







私何にも知らないし・・・








「浅野は進学でしょ?何処行くの?」









私が聞くと宮澤と彩璃ははっ?と顔をした。










「おい、晃音お前言ってねぇの?」








「てっきり、さっき言ったのかと・・・」










「・・・・・・・」










「なにが?」








コイツなにやってんだ、という空気が流れると、浅野がため息を付きながら口を開いた。
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