彼は私に後悔する
「ミチの方がいいよ、教わるなら」
「いい加減私から卒業してくださいね~
高校いったらどうするのさ、もう」
ふざけながらも「ここはふてくされる感じでいいと思うよ」とアドバイスをつけて台本を返す。
「代表委員の仕事もあるのに台詞多い役やらせてごめんね、イツキ」
「ミチにお願いされたら断れないよ。
何されるかわかんないし」
「一言余計だっつーの!」
返そうとした台本で思いっきり殴ると、謝る素振りをみせて教室に戻っていった。
少しお調子者はイツキだけど、いい一面も多いのが正直腹が立つ。
「あんまり思わせ振りな態度をとるなよな!
惚れたらどうしてくれるのさ」
って思ってしまう乙女心をあいつはまだわかってない。