ある日のまさお君
 何事かと思い、声がする別の列に目を向けると…

 若い男性が横入りをして、お会計している姿が見えました。


「お母さん、あの人、横入りしてるよ。いいのかなぁ?」

「しぃーっ。大きな声でお話したらダメよ」
 と、お母さんは人差し指を立て、小さな声で言いました。

「でも、順番を守らないのはいけないことだよね?」
 と、まさお君は小さな声で言いました。

「そうよ。順番はきちんと守らないとね。何で守らないといけないか分かる?」

「んと…ダメだからダメなんじゃないの?」

「う~ん、もし、まさおが横入りされたらどう思うかな?」

「ん~とね、とっても嫌な気持ちになるかなぁ」

「そうよね。まさおが『嫌だなぁ』って思う事を他の人にすると、他の人もまさおと同じ様に『嫌だなぁ』って思うんじゃないかな」
 まさお君は頷きます。

「だから、他の人に嫌な事をしたらいけないのよ。分かる?」
 と言うと、にっこり微笑みました。

「うん。分かった!」
 まさお君はにこにこしながら答えました。









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