ダサこちゃんに乾杯! ~壱~
はぁ~と一つため息をつく。

「亜沙ちゃんにケンカ売るなんて馬鹿だなぁ、アイツら(笑)」

笑いながら覗いてきたのは同じ部署で後輩の春日太一。見た目もイケメンでその上仕事も出来るし性格も人懐こくて良いから誰からも愛されてる……らしい。

「ここ女子トイレだけど…。後、“亜沙ちゃん”って呼ぶなって言ってるでしょ?私こう見えてアンタの先輩!」

「入ってないから大丈夫だろ?それに亜沙ちゃんに何かあったらと思って助ける準備してたのに」

あくまで呼び名は無視かい。
嬉々として話し声聞いてただけのクセに…何が助けるだ。

「出るから退いて、邪魔よ」

横を通り過ぎようとしたら手が伸びてきた。避けようとしてバランスを崩すと、すかさず私の腰を拐うようにして壁に押し付けられた。

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