超純な彼と微不純な彼女
【2人だけの夜】
遠くに見える響くんの後ろ姿……あっ!
「愛理~ 見えなく、見えなくなったじゃん! 」
「大丈夫よ、右に曲がったんだよ!」
と、愛理のペダル漕ぐスピードが速くなった。
急いで~急いで~
キキキキイ~って右折するなり、愛理は急ブレーキで自転車を止めた。
私は思わず落ちそうになって……
そこは大きな門構えになっていて………
響くんはここに?
だって、その門構えが突き当たりだったから、自転車でここに入って行ったとしか考えられなかった。