超純な彼と微不純な彼女
【2人だけの夜】
「桜田くん……って彼女つくった事ないの?」
「オーイエスっ!」
やけに明るく答えてくれたけど、そんな事って自慢げに答えるもんじゃないんだよ、むしろ恥ずかしい事なんだから……って、私は心で思う。
「だからぁ……私を彼女にしてみない?って聞いてんの」
「今と、どう違ってくんの?付き合うって、何すんの?」
「だからぁ……お互いに名前で呼び合ったり、一緒に登校したり帰ったり、デートなんかしたり……色々あるじゃん」
なんか……私…相手間違ったかな?
……って天然って言うか、クソ真面目って言うか、あんた重症?
その時……超純な彼の手の動きが止まった!
私の顔をジッと見てるイケメン……
その口から言葉が出た。
「俺で良かったら……いいよ」
って片目を瞑ってみせた…………あの日の響くんの顔は、
これからもずっとずっとずっと、心に生きる私の宝物。