超純な彼と微不純な彼女
【2人だけの夜】
「私さ~明日からね、女磨くんだぁ♪」
って、ケータイから聞こえてきた愛理の弾んだ声。
「……ん?……って」
……私の返答、このセリフで愛理が何を言いたいのか、さっぱりわからないけど、何かを、私に言いたい事だけはわかる。
「……で?」
「着付け教室に通います、宣言!」
「はぁ?……意味不明で、よくわかんないんだけど……」
「大和撫子たる者、日本の女ならね、着物の着付けぐらい、自分で出来なきゃ」
「………?」
この裏には何が隠されてんだろ?
だって………ただ、それだけの理由で、愛理が着付け?
んな事、考えられない、きっと、きっと何か、別の理由がある筈なんだけど………ん?
わからないや、愛理と着付けなんて……だって何処にも接点ないんだもん。