超純な彼と微不純な彼女
【2人だけの夜】
そして、とうとう
12月31日になって~
奇跡なんて……起きる訳ないじゃん。
んな事わかってたけど……わかってたけどね……でも、どうしても諦めきれなくて……。
壁に吊られた着物、
赤紫地に色とりどりの花が、大小散りばめられた艶やかな柄……。
エーン、エーン~
これを着て、響くんと除夜の鐘を聞く筈だったのにぃ~
泣いたって、わめいたって、暴れたって……事態は変わる事なかった。
熱が下がらなくて、トイレに立っただけで、頭がクラクラするよ。
響くんに発信した。
「響く~ん、やっぱ無理だよ
一緒にカウントダウンしたかったのに…エーン~エーン~」
泣いて…泣いて…泣いて………
電話の向こうで、響くんは困ってた。