超純な彼と微不純な彼女
【2人だけの夜】
鏡で、充分に全身のチェックを終えた和真くんが、私に向き直った。
「流奈、行こうか?」
目に涙をいっぱい溜めた私は……ゆっくりと大きく、首を横に振った。
「流奈?何で泣いてんの?まだ気にしてんだ?」
「違う……違うよ、和真くん……
ごめんなさい……
私……もう和真くんとは付き合えないよ……」
私は、後退りした。
「な、何言ってんだよ」
「ご、ごめんなさい」
私は走った、その場から走って、走って……。
「流奈~~~~」