女の子として見てください!
言葉にならなかった。そのくらいうれしかった。
今までも、私と連絡先を交換してくれた男性自体はいた。
だけど、ありのままの私を理解したうえで連絡先を交換してくれたのは、翔さんが初めてだった。


神様、ありがとうございます。私、この恋がんばりますね‼︎




その後、終電で家まで帰ると、ちょうど玄関先でお母さんと鉢合わせた。


「美桜、合コンこんな遅い時間までやってたの? まあ、夜遅いからってあんたのこと襲う暴漢はいないだろうからべつにいいけど」

あら。なんという言いぐさ。翔さんはさっき、『そんなことは関係ないんだよ』って言ってくれたのに。

と、それを思い出すと、私の口元は自然とにやけた。


「なによ急に笑って。気持ち悪い」

「お母さん、なるべく近いうちに孫の顔を見せてあげられるようにがんばるからね」

「はあ?」

そして、私はすぐさま二階の自分の部屋まで駆け上がり、ベッドにダイブし、携帯の画面を見つめる。

LINEの“新しい友だち”のリストに、翔さんの名前が載ってる。

私はさっそく、彼にメッセージを送った。

【美桜です。今日はありがとうございました!楽しかったです!】

送信。

あ、顔文字とか絵文字とか入れた方が女性らしかったのかな?そういうの普段あんまり使わないからなぁ。スタンプも送った方がいいのかな。

とか考えていたら、私のメッセージはすぐに既読になり、数秒後、翔さんからの返信が来た。
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