女の子として見てください!
「もう職場恋愛なんかしないって決めたのは、その時だった。
同じ職場なんかで働いていたら、いつか同じことが起きるかもしれない。
そうじゃなくても、一緒に働いていく中で、俺の弱いところがバレてまた幻滅させてしまう可能性が高いって思ったんだ。

いや……それもちょっと違うのかも。


職場恋愛がどうのって言うよりも、そもそも恋愛をすること自体が怖くなっていたんだと思う。

好きな人を傷つけるくらいなら、そしてあんなに惨めな思いをするくらいなら、もう、恋愛なんかしなくていいって。
そう、思ったんだ」


寂しい寂しい、翔さんの瞳。
きっと不安と後悔で、揺れている。


私は、彼になにを言ってあげたらいいんだろう。

彼の苦しみを、私はどのくらい理解してあげられる?きっと、私の想像を遥かに超えている。翔さんは、私は相手のことを考えられているってさっき言ってくれたけど――でも――……。


……すると翔さんが、話を続ける。

「でも、だからこそ、松城に初めて会った時、お前に惹かれたのかもな」

「え?」

突然の意外すぎる発言に、私は首を傾げる。
どういう、こと?
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