女の子として見てください!
と、どこからか取り出した鍵を見せながら私にそう言う。


恋愛経験の少ない私にだって、その言葉の意味……はちゃんとわかっていて。

わかってるけど。


「え、えと、えと……!?」

ど、どどどうしよう!?
やっぱり、もっと早くに打ち明けとくべきだった!?
それとも、打ち明けるのはいざっていう時でいいの!?いや、でも……!?


と、私がひどく混乱、そして動揺していると。



「ふ……ははははっ!」

翔さんが急に笑い出した。


「え? なんですか? なんで笑ったんですか?」

「いや、ごめん。部屋取ってあるっていうの、ウソ」

そう言って翔さんはさっき見せてくれた鍵をパンツのポケットにしまった。そのカギは翔さんのお家の鍵であるとのことだった。


「なっ、なんでそんなウソつくんですか!?」

「いや、ごめん。反応が見たくて。予想以上の反応してくれておもしろかった」

なっ、な……!? おもしろがって反応見たってひど……って、ちょっと待って。


まさか。まさか?



「まあ、部屋取りたかったのは本音だけど。
でも、”初めて”はこういう慣れない場所よりも、俺の家とかの方がいいのかなと思って」


バレてる!!?
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