女の子として見てください!
「誕生日? あっ、忘れてたー」

その日の夜、仕事が終わる時間が同じだったので、一緒に俺の家に帰ってふたりで夕飯を食べていた。


さすがにそろそろ美桜が欲しがってるものがわからないと用意ができないと思い、俺は美桜に誕生日の話を持ち出した。
帰ってきた言葉は、まさかの「忘れてた」で。


「忘れてたってなんだよ。自分の誕生日だろ」

「あんまり気にしたことないので」


まあ……子どもじゃあるまいし、俺自身も独り身だったら誕生日なんてほとんど気にしないけど。

でも独り身じゃねぇじゃん!彼氏いる時の誕生日って、普通もっとウキウキしないか⁉︎


……まさか俺、あんまり彼氏として意識されてないんじゃ……とか不安になるけど。

いやいや、きっと今まで彼氏のいる誕生日をほとんど体験したことないから意識が薄れてただけだろ。
……と、思いたい。


いや、でも仮にそうだったとしても!
ピンチはチャンスだ!

どうせ俺はもともと、腕力でも精神的なタフさでも美桜には敵わないんだから、ここでひとつ、経済力という形で男をアピールすればいいんじゃないだろうか⁉︎


そう思い、俺は美桜に「なにが欲しい?」と尋ねてみる。


うーん、と悩み始める美桜。


なんでも言え。指輪でもネックレスでもバッグでも!

あ、高級レストランでディナーとかでもいいな!


すると。

「あ」

美桜はなにか思いついたような表情を俺に見せた後。





「食べ放題の焼き肉屋さん行きたい‼︎」









友だちと行けよ‼︎!
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