女の子として見てください!
「えっ、なんですかこれ? 私にですか?」

「当たり前だろ。ほかに誰がいる」

「えっ、えっ、ほんとに⁉︎ だって焼き肉おごってもらったのにプレゼントまで……?
中身なんですか? 開けます!」

「そこは開けていいですか?とかじゃないのかよ」

俺の発言になんて構うことなく、美桜はその場で包みを開けた。


美桜の好みがわからなかったからそんなに高級なものじゃないけど、腕時計をプレゼントした。



「いらなかったら捨てて」

なんて強がって言ってみるけど、本当は捨ててほしいどころか、毎日つけてほしくて選んだ。
とはいえ、美桜が気に入らないものを無理やり着けさせるわけにはいかないというのも本音で。

だから、捨てていいという言葉もあながちウソではないーーけど、美桜は。



「うれしいです!」


笑顔、というよりは驚いたような表情だったけど、そう言ってくれて。


ピンクゴールドの、ブレスレットのようなデザインの腕時計。
やっぱり美桜は、名前のイメージからか、ピンクが似合う気がした。



「着けますね!」

そう言って、美桜はすぐに左手首に腕時計を着け始める。

薄暗くて色なんてわからないけど、イメージ通りに似合っているような気がした。


そして美桜は。

「翔さんが欲しいものを聞いてくれた時、本当はすごくうれしかったんです。
でも、今まで男性に誕生日プレゼントをもらうなんてこと全然なかったから、なにも思い浮かばなくて。

普通の女性なら、バッグとか靴とかアクセサリーとか言うのかなとは思ったんですけど、あんまりピンとこなかったし、そもそも私、普通の女性とはかけ離れてるし……。

だから、形に残るプレゼントより、翔さんとおいしいもの一緒に食べる誕生日がいいなと思って。


だけど……うれしいです!
好きな人からもらう誕生日プレゼントが、こんなにうれしいなんて初めて知りました!本当にありがとうございます‼︎」
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