女の子として見てください!
「……私、なにかしましたか?」

思わず出た、そんな言葉。
でも、私だって女だから。どんなに男らしくたって、女だから。好きな人に冷たい態度取られたら不安になっちゃうよ。


だけど彼は。

「なにかってなに。べつになんとも思ってないけど」

なんとも思ってない。
この場でのその言葉は、「悪く思ってはいない」という意味なのはわかるけど、私の心はズキリと痛んだ。


だから。

「私は、翔さんのこと……」

と言いかけた。
でも、さすがに今じゃないと思って、言葉を飲み込んだ。
だけど言いかけたその言葉の意味は、翔さんにも伝わったみたいで。


「……悪いけど、そういう意味でも俺は君のことなんとも思ってないから」

と言われた。


ショックだった。翔さんは私のこと、少しは気にしてくれているんじゃ、って思っていたから。
飯尾くんの言う通り、なんの感情もなく、ただ適当に連絡先を交換してくれただけだったのかな。


だけど、それだけバッサリ言われても、私の性格上、簡単には諦められない。


「私のこと、ありのままでいいって、言ってくれたじゃないですか……」

あの言葉は、私にとってすごくすごくうれしかったの。

でも翔さんは。

「あの言葉はウソじゃない。刑事は立派な仕事だ。恋愛のためなんかに自分を偽る必要なんかない。
だけど、だからといって俺が君に恋愛感情を抱いているとか、そういう意味で言ったわけじゃない」


またしても、バッサリと言われた。

確かに、それはそうなんだけど……。


私の、勘違いだったのか……。
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