女の子として見てください!
「美桜さん! 大丈夫ですか⁉︎」

すぐに飯尾くんがこっちへ走ってきた。


「うん、大丈夫だよ。午後一時二十分、窃盗犯確保」

窃盗犯の腕を引っ張ったまま私がそう言うと。


「やっぱ美桜さんかっけーっす! 男顔負けっすね!」

「え? あっ」

そうだったー!女らしくいこうと思ったばかりだったのにー!

そりゃあ窃盗犯を前にして見逃がすなんてことできないけど!

だけど、窃盗犯を見た瞬間、“女らしく”なんて言葉がポーンッと頭から抜けていった私もどうなの⁉︎

犯罪者を目の前にすると、“女らしく”のおの字も考えられなくなる。

私に“女らしく”なんてやっぱり無理なんだぁ……。
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