女の子として見てください!

「それじゃ、お会計も済んだし、ここで解散ってことで! 女の子たち、気をつけて帰ってね!」

お店を出ると、男性側の幹事の方が手を振りながら私たちにそう言う。

私たちも手を振り返してーーいや、私以外のふたりは手を振り返して、私たち三人は駅に向かって歩きだした。


「いやー、今日はなかなか良かったわね! 私、リョウくんのLINE聞いちゃった!」

「私も今度、ナオくんとふたりで映画館行くのー!」

私の隣で、マミとメイコが楽しそうに盛り上がっている。
ふたりともうまくいったんだ……。うん、それは良かったんだけど。


「でさ、美桜はいつまで落ち込んでんの?」

マミが私の背中をバシン!と叩きながらそう聞いてくる。
うぅ。背中も心も痛いんですけど。


「だって、だって……今日こそはいけると思ったの。彼氏ができると思ったの」

私がガックリと肩を落しながらそう言うと、今度はメイコが口を開く。

「なんで言っちゃったのよー? 刑事で血塗れに慣れてるとか、柔道五段とか。
美桜、顔はかわいいベビーフェイスだし、今日のその白いシフォンワンピースも美桜の女の子らしさを強調してるし、身長は低くて小柄だから、黙ってれば誰も刑事とも柔道有段者とも思わないのに」

もったいなーい、とマミとメイコが声を揃えて言う。

そりゃ、マミもメイコも今まで私がそれが原因で男の人にフラれ続けてきたのを知っているから、そう言われても仕方ないんだけどーー……。

でもでも、そんな言い方しなくても良くない⁉︎
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