女の子として見てください!
ドキドキキュンキュン、ワクワクそしてソワソワが止まらないなか、約束の土曜日に絶っっ対に仕事を持ち越さないため、私は必死に仕事をこなした。


そして、約束の土曜日。


『遊園地デートならパンツスタイルもアリだけど、美桜はスカートの方が似合う気がする』

『ロングスカートはダメだけど、ミディアム丈なら遊園地でも動きやすくていいんじゃない?』

『じゃあ花柄ワンピに、カジュアルっぽいジャケットを羽織ろう! いっぱい歩くだろうし、靴は動きやすいものね!』

という、マミとメイコの助言をもとに、ファッションも万全だ!

髪形は、もともとそんなに長くないからとくにヘアアレンジの仕様もなかったけど、メイクはきちんと時間をかけて丁寧に施してきた。

服装もメイクも、職場にいる時とはちょっと違う私を見てくれ!と、私はそういう意味でも今日のデートを張り切っていた。だって、恋は一方通行じゃ意味がないから。翔さんに私のことちゃんと好きになってもらいたいから!


とりあえず、十時にチケット売り場の付近で待ち合わせしていたのだけど、向かう途中で翔さんからLINEが来て、【悪い。電車が止まってて、十分くらい遅れるかも】と書かれていた。

すぐに【了解です!】と返信をして、私はとりあえず予定通り待ち合わせ場所へと向かった。

十分くらいなら、先に園内に入って時間をつぶすほどじゃないし、携帯をいじりながらそのまま待つことにした。


そうして、翔さんそろそろ来るかな、と思い、携帯から顔をあげた時。


「わっ、やっぱめっちゃかわいいね君~」

と、ふたり組の男の子が私に近づいてきた。大学生くらいだろうか。チャラいとまでは言わないけど、ちょっと軽そうな感じ。

ていうか男の子ふたりで遊園地?BL?それともナンパ目的?


「誰か待ってんの? 俺らといっしょに回らない?」

後者でした。
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