女の子として見てください!
すると、彼の手が再び私に近づいてくる。
今度は、額を軽くコツン、じゃなくて。


思いっきりデコピンされました。


「痛い~っ」

「誰がヤキモチだ! 人が心配してやれば調子乗りやがって!」

「心配はしてくれたんですね!? ならうれしいです!」


私がそう言うと、彼はなんだか少し言葉につまって。


「……心配っていっても、お前の中身を知らずにナンパしてきたあの男たちの心配をしただけだ!」

えっ、そうなの!?
なぜ見ず知らずの男の子たちの心配を!?

ヤキモチじゃなくて残念だ。

でも。


「早く行くぞ」

私に背を向けて、入園ゲートの方へと歩いていく翔さんの後ろ姿を見つめながら私は。


「はいっ!」

と元気よく返事をした。
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