女の子として見てください!
デート、とは言わなかった。きっと、頑なに言わないようにしてる。

だけど、うれしくてうれしくて。
胸が、締めつけられそうになった。


デートだって思ってもらえなくてもいい。
翔さんは、私にせがまれてイヤイヤ遊園地へ来たのかもしれない。


それでも。


「翔さんっ。



今日は、いっぱい楽しみましょうね!」



私がそう言うと、翔さんはもう一度チラ、と顔だけ私に向けて。



「……ああ」



小さく、でも確かに。

笑って、そう言ってくれた――……。
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