女の子として見てください!
翔さんは何も言わず、下を向いていた。

私が人質になっている状況が苦しくて、目を向けられない?
それとも、私を人質にしているこのナイフ男に対して、言葉にならない怒りを必死でこらえてる?

どっちなんだろう。どっちでもうれしいけど。


そう思って、私はもうしばらく翔さんの様子を見つめ、彼の反応を待つ。

すると。


「は、は……っ」

彼は急に。



「ははははは! 腹いて~! 人質にする相手絶対間違ってるだろ! ははははっ!」



……急に、笑いだしました。
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