女の子として見てください!
「……は?」

翔さんがじとっとした目で私を見る。


「あーあー、今のナシです! ウソではないですけどナシです!
か、翔さんが悪いんですよ! 急に欲しいものなんて聞いてきて、カウントダウンまで始めるから……!
だから……」

さすがの私でも、ぶっ飛んだことを言ってしまったなと思い、必死に言いわけをするけど。


……言いわけの途中で、彼は私の言葉を遮るように。



私の頬に手を添えて。







――ちゅっ……。








「……っ!?」

手を添えられたのとは逆側の頬に、か、翔さんの唇が触れた。







「……こ、これで満足かよ?」

「ふぁ、ふぁい」


私の顔も相当熱いけど、翔さんの顔も真っ赤だ。
翔さんのこんな照れた表情、初めて見る。


いつもクールな翔さんのこんな顔、きっと私しか知らない。
うれしい。



これは、幸せな夢?
夢なら醒めないでって思うけど。
きっとこれは夢じゃない。


頬への感覚が、確実にリアルだから。
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