女の子として見てください!
「いっ、てぇ!」

すぐにサングラスの男も「なにすんだこの女!」と言って私に襲いかかろうとするけど、私がこんな奴に捕まるはずもなく。


「いでっ!」

私はそのサングラス男も、同様にその場に叩きつけた。


階段で背中を強く打ち付けた男たちは痛さに悶絶し、すぐに立ち上がれない。
その隙に、私は一応用意しておいたロープで、男たちの両手を後ろ手に縛った。本当はどこかそこら辺の柱にでも縛りつけたいけど、これだけでも充分身動きは取れないだろう。というか、しばらく起き上がれないはずだし。


私は階段を下り切って、その先にあった部屋の扉を開けた。

その部屋の中には、縛りつけられた状態でイスに座らされた、葉子ちゃんの姿があった。


「葉子ちゃん!」

私は慌てて彼女に駆け寄る。


「松城さん……?」

「大丈夫!? なにもされてない!?」

「う、うん……」

その言葉に安心して、私は彼女を縛りつけているロープを外した。

幸い、そこまで固くは縛られていなくて、すぐに外すことができた。


「良かった! もう大丈夫だから、安心して! とにかく、ここから出るよ!」

「……あの男たちは?」

「あっちで倒れてるから大丈夫!」

私は葉子ちゃんをイスから立ち上がらせると、ドアの方へと振り返る。


「あ」

私は足元にナイフが落ちているのに気づいた。


「なんでこんなとこにナイフが……」

私がそう呟くと、葉子ちゃんが


「それ、さっきの男たちのナイフ……。私、そのナイフでずっと脅されてた」と呟く。

ひどい。地上に声も届かないこんなところに身動きもとれなくして監禁して、その上ナイフで脅すなんて。

すごくすごく、怖かっただろう。


「葉子ちゃん、ほんとにもう大丈夫だからね。一緒に帰ろうね」

「……」

「葉子ちゃん?」

せっかくここから出られるというのに、葉子ちゃんの表情が暗いのが気になった。

いや、さっきまで怖い思いをしてたんだ。いくら助かるといっても、そんなすぐに元気になったりしないだろう。


今は、ここから出るのが最優先!
私は、階段でうごめいている男たちを通りすぎ、階段を駆けあがった。もちろん、葉子ちゃんと一緒に。
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