女の子として見てください!
「え……?」
葉子ちゃんは続ける。
「二年前、アンタが光太郎を補導したせいで、光太郎は真面目になっちゃった! 髪は黒いし、ピアスは塞ぐし、ケンカしなくなったし、夜遊びしなくなったし、委員会なんかに入るし、ていうかなにが東大だよ!」
葉子ちゃんは、ひどく声を荒げている。
「私には光太郎しかいなかったの! 変わってほしくなかった!
それでも、隣にいてくれるのは変わらなかったからずっとガマンしてたけど、昨日の夜、アンタに告ったとか言うし!
私は光太郎のことずっと想ってて、光太郎だって、もしかしたら私のこと……って思ってたのに……!
アンタさえいなければ光太郎は変わらなかったし、光太郎は私のこと好きになってくれてたかもしれないのに……!」
『俺が告白してフラれたことを話したら、『好きな人がいたなんて聞いてない』とか言っていきなりキレてきて』
さっき光太郎くんが電話でそう言っていた時から気になっていたけど、やっぱり葉子ちゃんは光太郎君のこと……。
だとしたら、私のことを憎んでも仕方ないかもしれない……。
だけど。
「葉子ちゃん。
葉子ちゃんが危険な目に遭ってるかもしれないって心配して私に連絡をくれたのは、光太郎くんだったんだよ」
「え……?」
「光太郎君は確かに二年前とは変わった部分も大きいと思う。でも、光太郎君は光太郎君だよ。彼自身はなにも変わってない。そして、葉子ちゃんを大事に思ってるよ」
私がそう言うと、葉子ちゃんの表情が少し揺らいだように見えた。
葉子ちゃんが光太郎君に対して冷たい態度を取るようになってしまったのは、きっとどんどん変わっていく光太郎くんを受け止められなくなってしまったからだ。
だけど、光太郎君が葉子ちゃんのことを大事に思っていることは確かだ。大事に思ってなかったら、葉子ちゃんの自分への態度を気にしたりしないだろうし、なによりあんな真剣に私に助けを求める電話なんてしなかったはずだから。
光太郎君から葉子ちゃんへの気持ち、ちゃんと届いてほしい。
そう、願うけど。
「……でも、やっぱり嫌! アンタのこと許せない!」
と、葉子ちゃんは首を横に振った。
どうすれば。
どうすれば葉子ちゃんの気持ちを楽にしてあげられるんだろう。
私が戸惑っていると。
「ただ、不安なんだよな」
と、後ろから翔さんが口を開く。
葉子ちゃんは続ける。
「二年前、アンタが光太郎を補導したせいで、光太郎は真面目になっちゃった! 髪は黒いし、ピアスは塞ぐし、ケンカしなくなったし、夜遊びしなくなったし、委員会なんかに入るし、ていうかなにが東大だよ!」
葉子ちゃんは、ひどく声を荒げている。
「私には光太郎しかいなかったの! 変わってほしくなかった!
それでも、隣にいてくれるのは変わらなかったからずっとガマンしてたけど、昨日の夜、アンタに告ったとか言うし!
私は光太郎のことずっと想ってて、光太郎だって、もしかしたら私のこと……って思ってたのに……!
アンタさえいなければ光太郎は変わらなかったし、光太郎は私のこと好きになってくれてたかもしれないのに……!」
『俺が告白してフラれたことを話したら、『好きな人がいたなんて聞いてない』とか言っていきなりキレてきて』
さっき光太郎くんが電話でそう言っていた時から気になっていたけど、やっぱり葉子ちゃんは光太郎君のこと……。
だとしたら、私のことを憎んでも仕方ないかもしれない……。
だけど。
「葉子ちゃん。
葉子ちゃんが危険な目に遭ってるかもしれないって心配して私に連絡をくれたのは、光太郎くんだったんだよ」
「え……?」
「光太郎君は確かに二年前とは変わった部分も大きいと思う。でも、光太郎君は光太郎君だよ。彼自身はなにも変わってない。そして、葉子ちゃんを大事に思ってるよ」
私がそう言うと、葉子ちゃんの表情が少し揺らいだように見えた。
葉子ちゃんが光太郎君に対して冷たい態度を取るようになってしまったのは、きっとどんどん変わっていく光太郎くんを受け止められなくなってしまったからだ。
だけど、光太郎君が葉子ちゃんのことを大事に思っていることは確かだ。大事に思ってなかったら、葉子ちゃんの自分への態度を気にしたりしないだろうし、なによりあんな真剣に私に助けを求める電話なんてしなかったはずだから。
光太郎君から葉子ちゃんへの気持ち、ちゃんと届いてほしい。
そう、願うけど。
「……でも、やっぱり嫌! アンタのこと許せない!」
と、葉子ちゃんは首を横に振った。
どうすれば。
どうすれば葉子ちゃんの気持ちを楽にしてあげられるんだろう。
私が戸惑っていると。
「ただ、不安なんだよな」
と、後ろから翔さんが口を開く。