女の子として見てください!
「土曜日、はヒマですけど」

「空けとけ」

「はあ。それはかまわないですけど。
あっ、もしかしてデートのお誘いですか!?」


期待を込めてそう尋ねたのはもちろん否定しないけど。



「……ああ」

「え?」

普通にそう答えられてしまうと、思わず間抜けな声で聞き返してしまう。


「ほ、ほんとのほんとにデートのお誘いですか?」

「水族館とかどう?」

「翔さん、熱でもあるんじゃないですか!?」

「なんでだよ! 怒るぞ!」

だ、だってだって。
デートのお誘い、もちろんうれしいよ?
でも、クールでツンな翔さんが、こんなふうにストレートにデートに誘ってくれるなんて……!

もちろん驚いた、けど。

それ以上に、ドキドキして、胸がキュンとして、なによりうれしい!!


翔さんは言った。

「前に一緒に遊園地行った時はあんな事件に巻き込まれちまったし。あの時は俺もお前のこと怒らせたしな。だから、デートのやり直しっていうか」

「は、はいっ! 喜んで!」

「決まりな」

翔さんは相変わらずそっけなくそう言うと、またラーメンを食し始める。

でもね、私、翔さんのこと毎日いっぱい見てるから、翔さんがちょっと照れてくれてるのに気づいてるんですよ?


翔さんに私のことちゃんと好きになってもらえるように、デートがんばるぞー!
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